お父さんを主人公にすべき
このゲームの評価すべき点は、舞台となった岐阜県の町を綺麗に再現しているところ、階段で見下ろす凛子の表情、合計★2。
シリーズファンなので厳しい評価になります。
サイレントヒルって、ロシア文学みたいな、宗教的で重厚な世界観が魅力のシリーズだと思うんです。
それと比較すると、この作品の出来はライトノベル。サイレントヒルの看板で出すべきではなかった。「お稲荷さまのなく頃に」というタイトルなら★4です。
60年代の日本の田舎が舞台なら「八つ墓村」「犬神家の一族」に近い雰囲気で、いくらでも描けるじゃないですか。サイレンみたいに。実際それを期待していたシリーズファンはかなり多かったと思うんです。
何かどんでん返しがあるかもと信じて周回しましたが、結果とても失望しました。要約するとマリッジブルーをこじらせた話です。
私が脚本家なら、あのお父さんを主人公にしますね。自分のアルコールの問題と対峙して、乗り越えて、出刃包丁で結婚式に乱入して、狐と人形から娘を救い出す話。周回特典は板前姿と漁師の衣装。猟銃もあり。当時の男らしさの呪縛と戦争経験のトラウマを描く。絶対そっちのサイレントヒルやりたいです。
厳しい評価を付ける最大の理由は、このゲーム、共感性羞恥がすごいんです。思春期の青臭い展開が恥ずかしくて見ていられない。まさか18歳以上が対象のゲームでこんな体験するとは思いませんでした。
例えば、相棒との宇宙戦争ごっこ設定は必要だったのか。もっと表現を巧みに工夫して、女性の苦悩や葛藤を描写することはできなかったのか。
ここまで演技が気になってしまうゲームは初めてです。プレイ進行に集中できないレベル。2リメイクが良かっただけに残念。
それと、四肢欠損表現はホラーとして三流だと思います。脚本の力量の無さをショックな表現でごまかしているとしか思えなかった。というか、最初から女子高生にあれをやりたかったんだろうなって、下心が透けて見えてしまった。個人の性癖は他所のシリーズでやってほしくなかったです。興醒めしました。
戦闘についてですが、ソウルライクとして比較される水準に達していないと思います。このシステムではホラーゲームをさせる気がないと思ってしまう。終盤の連続強制バトルが毎回つらい。
戦闘システムと変化のないマップ移動が苦痛で、周回する気になりません。周回必須なのに周回させる工夫が無いのは致命的です。せめて衣装や髪型の周回特典があったらよかった。味のしないガムをずっと噛んでいる感じ。
フルプライスで買ってしまったので真エンドまで頑張りましたけど、要は問題の先送りというだけ。何にも解決していない…。
DLC出ても買わないと思います。本編がこれなら、実況動画だけで満足できそうですから。
ということですので、シリーズファンの方でしたら、こちらはフルプライスで買うに値する作品ではないと思います。サイレントヒルが好きな人ほど失望します。
昔の田舎の雰囲気を味わいたい、女子高生姿で鉄パイプ振り回してみたい、スーパーダーリン狐男との夢女子を楽しみたい、竜騎士ファン、という方におすすめします。
シリーズファンが買うならお布施として割り切りましょう。買ったら新作考えてくれるかもしれません。